1.お梅
作詞:志賀大介
作曲:村沢良介
戻れない… 戻らない…
時の流れに 棹させば
女の時間は 止まるでしょうか
浪に千鳥の 浜町河岸に
誰が 誰が架けたか
なみだの橋
お梅運命の… 恋に泣く
(セリフ)「巳之さん すまない 堪忍しておくれ…
太夫の襲名披露が終わったら巳之さんの所に戻るつもりだった…
所詮この世界は一幕物の夢芝居
これで梅のひとり芝居も終わったのさ…」
なぜ泣くの… なぜ泣かす…
道はふたすじ あるけれど
心も迷いは もうありません
義理の川風 人情の夜風
乗せて 乗せて流れる
もやい舟
お梅しぐれる…ほつれ髪
(セリフ)「唐紅のおんなの性が 二つの枝に狂い咲き…
あぁー梅はもう思い直すことは何もない
身を清め 髪を結び 紅 白粉の旅支度…
せめて せめて こんな女がいたことを覚えていて下さいね…
楽しかった太夫との思い出を心に秘めて 梅はあの世に参ります
あぁー あの人の舞台の幕が開く…」
夢ですが… 夢なのね…
浮かれた浜町 三味の音に
三日月眉毛の 柳が曇る
明治一代 悲しく燃えた
恋の 恋の火玉は
何処へやら
お梅泣かせ… 隅田川
…津の国屋ぁ―…
2.仲乗り新三
作詞:つるぎまさる
作曲:村沢良介
木曽の生まれよ 仲乗り新三
夜風身に沁む 旅鴉
生まれ在所で いつかはきっと
寝ずに覚えた 木曽節を
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
結ぶ草鞋と アンァー アー…
三度笠
木曽のナー ナカノリサン
木曽の御岳 ナンジャラホイ
夏でも寒い ヨイヨイヨイ
アラ ヨイヨイヨイノ
ヨイヨイヨイー
斬って切れない 情けの糸で
後ろ髪ひく 茶屋娘
こんなやくざに 惚れたら苦労
明けの木曽路を 忍び立ち
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
縞の合羽に アンァー アー…
ひとしずく
「お控えなすって お控えなすって…
手前 生国と発しまするは
木曽でござんす
木曽は木曽でも木曽川で
産湯を使った
仲乗り新三と申します…」
遠音・山越し・ふるさと囃子…
じーんと来やんす瞼の奥で…
捨てたあの娘が
捨てたあの娘が俺を呼ぶ…」
石の地蔵さんと 野仏さんに
片手拝みの いそぎ旅
ままよ長脇差 水棹に代えて
流す筏は 十三里
いいじゃないかい 春だもの
いいじゃないかい 旅だもの
娘 手を振る アンァー アー…
中仙道
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